2015-04-11から1日間の記事一覧

昭和初期 甲斐駒ヶ岳史料

甲斐駒山脈の特色

甲斐駒山脈の特色 小島鳥水『現在登山全集』「北岳 甲斐駒 赤石」 昭和36年 創元新社刊(一部加筆) 花崗岩と古生層地と交錯していること、日本アルプスに比額のない、シエラ、ネヴァダににたような、鋸歯状の山稜を有すること(鋸岳において)、高山植吻は…

山梨県の馬に関する参考資料 柳田國男氏著より引用

山梨県の馬に関する参考資料 柳田國男氏著より引用 1、祭ノ慎…甲州にては東山梨郡松里村大字松里上井尻組の諏訪明神は例祭旧暦の七月なり。七月一日の日より始めて此の日まで氏子の物忌最も厳重なり。其の間は声高、普請及び縄目を結ぶことを戒め、又祭の日…

巨摩郡 『甲陽茗話』 駒ヶ岳

巨摩郡 『甲陽茗話』に釜無河の水源に神馬の精あるに因て、此水を飲て畜育【そだち】たる馬子は必す靈なりと云。 凡この山より下瀝【したた】る水流の及ふ所を一郡とするを以て郡名の起る縁由知りぬべし。吾友靱部定賢の説には、本郡は平原多くして馬を畜ふ…

『甲斐叢記』巨摩郡をみる。

『甲斐叢記』巨摩郡をみる。 巨麻は駒なり。本郡の西北の隅に駒嶽あり(又巨摩山とも作れり)傳一云、古時厩戸王(聖徳太子)の驪黒【くろこま】山の産したり。 釜無河、尾白河、大武河共にこゝに発源せり。

『甲陽舊尋録』にみる眞衣野牧

『甲陽舊尋録』にみる眞衣野牧 甲州よりの名馬の出候謂れは武州筋より西之方駒ヶ嶽 と云う高山あり。之右之山の上る龍馬の住居候由。右武 川筋之百姓薪取に参りて駒のいなゝき候を天然に承り 候者も有之由呑候馬の子は必名馬なるよし申之。

武河御牧に関する『甲斐叢記』の見解

武河御牧に関する『甲斐叢記』の見解 武河御牧(山梨郡萬力筋)又竹川とも作けり。 東鑑に建久五年(1194)三月十三日甲斐国武河御牧駒八疋参着被經御覧可被進京都云々 牧平にて漆川赤芝川合流し竹川と名すくは乃はち西保川なり。 東鑑に武河と書たる故…

真衣野牧に関する『甲斐名勝志』の見解

真衣野牧に関する『甲斐名勝志』の見解 甲斐御牧考ニ曰武川之地有、牧原村興ニ驛路属ス。 和名鈔有ルトキハ巨摩郡眞衣則此其為ル「違名亦可知ヌ」

甲斐 牧庄 (『牧丘町誌』)

牧庄 (『牧丘町誌』) 大化の改新のとき土地制度を攻め、班田制をおこなった。土地を公平に分配し、平等に義務を負担させたのであるが、時代とともに隠田(かくしだ)の取り締まり、戸籍の讃査、土地の班給、田租の徴収など事務が煩雑となり、それに人口の…

真衣野牧に関する『甲斐国志』「巻之四十八古蹟部第十一」の見解

真衣野牧に関する『甲斐国志』「巻之四十八古蹟部第十一」の見解 倭名抄ニ巨摩郡ノ郷名萬木乃、国用眞木野字トアリ。 余戸郷北貳拾餘村皆此郷ニ属ス。 牧【マギ】ノ原村即チ其違名ナリト云。延喜式及ビ国史 諸記ニ所レ載本州ノ御牧三所穂坂、眞衣野、柏前ナ…

御牧関連資料 古代と中世 律令制時代(『牧丘町誌』)

御牧関連資料 (『牧丘町誌』) 古代と中世 律令制時代 一部加筆 律令制国家の下にあって、政庁を国衙といった。甲斐国の国衙の位置については諸説があって議論されてきた。平安 期の貴重な文献である『和名類衆抄』に「府ハ八代郡ニアリ」とあるが地名、遺…

甲斐の御牧 眞衣野牧 『甲斐叢記』の見解

眞衣野牧『甲斐叢記』の見解 眞衣(巨摩郡武川筋) 今乃牧原村の地なり。郷名にも記せり。牧原は駒嶽、鳳凰山の東麓の地にして地廣遼き所なり。今は盡き田となれり。古歌に御眞衣の原と読めり。 名は高き木曾の梯引はたしみ 牧の原や戀しかるらん 作者不知 …

甲斐の御牧 穂坂牧・真衣野牧・柏前牧『甲斐名勝志』の見解

穂坂牧・真衣野牧・柏前牧『甲斐名勝志』の見解 延喜式所載御牧三甲斐御牧考曰、柏前殊ニ不可然ルニ式 ニ所載之牧都テ三處而、穂坂・眞衣野既ニ在巨摩郡ニ 因テ思フニ之逸見ニ又有樫山村北與信界土極テ勁寒曠 邃【すい】而多ク産駒ヲ于今州民皆取給ヲ焉其稱…

甲斐の御牧 柏前の牧『甲斐叢記』の見解

柏前の牧『甲斐叢記』の見解 樫山村に柏前牧と云ひ伝る処あり。「野馬平」、「南牧ヨセ」、「北牧よせ」、「懸札」等云ふ地在せり。小念とて念場原に続きたる寛曠き原なり。古史に見えたる柏前の地後世審かなら ず。 山梨郡柏尾に尾崎林なと云處ありて、黒駒…

甲斐の御牧と地域歴史書 和歌の世界の混乱

甲斐の御牧と地域歴史書 混乱する和歌の世界 (小笠原、逸見、みつ(美豆)、御牧) 《筆者注》六帖夫木集云歌集題駒牽甲斐或伊豆とある。 都までなつけてひくは小笠原 へみの御牧の駒にや有ける 紀貫之 小笠原みつの御牧にあるゝ駒 もとればぞ馴るこらが袖…

聖徳太子が甲斐の黒駒に乗る

聖徳太子が甲斐の黒駒に乗る 甲斐の駒に関連した興味深い記事がある。それは『日本書紀』の推古天皇六年四月に甲斐国より「黒身ニシテ白髭尾ナリ云々」とあり、『聖徳太子伝略』には推古天皇六年(五九七)四月に「甲斐国より馬が貢上された。黒身で四脚は白…

甲斐の勅使牧(御牧)穂坂牧 真衣野牧 柏前牧

甲斐の勅使牧(御牧) 甲斐、信濃、武蔵、上野に設けられた御牧は朝廷直轄の勅使牧である。『延喜式』によると牧には勅使牧の他に近都牧、諸国牛馬牧の三種に区別され、勅使牧は近都牧と同様左右馬寮の所管である。 〔註〕『延喜式』 醍醐天皇の勅を受けた藤…

甲斐の黒駒(神話の時代)

甲斐の黒駒(神話の時代) 甲斐の駒はその始め「甲斐の黒駒」と呼ばれ、中央に於いても特に有名でそれを示す資料もある。『日本書紀』の雄略天皇十三年(四六九)の項に 罪に問われた猪名部真根が処刑される寸前に赦免の勅 命が下り死者が駿馬に乗り駆けつけ…

日本南アルプス 甲斐駒ヶ岳

日本南アルプス 小島鳥水『現在登山全集』「北岳 甲斐駒 赤石」 昭和36年 創元新社刊(一部加筆) 日本南アルブスは、赤石山系をいう、赤石山系の大体の走向は、関東山系の西に、ほとんど直角をなして、所属の高山大岳は富士川の西方、天竜川の東方に列座し…