実相寺の神代桜にまつわる漢詩 石原嵩山 三首

実相寺の神代桜にまつわる漢詩 石原嵩山 三首
下し(『武川村誌』一部加筆)
  桜三首      石原嵩山 (守政)
    一
幽寺の一株、高きこと二ならず、年を経る幾万、更るがわる相驚く、
誰か知る、実相、真如の月、独り桜花に向かえば、枝頭清し。
    二
日本に王と称す、走れ此の時、大鵬、万里、垂天の枝、
若し怒翼の、南海を図らんと期さば、桃李、梅花、之れに北面せん。
    三
雪の如きの山桜、三月寒し、白雪、燦欄、天に徹して寛し、
春風、若し花を吹き散らす有らば、州里、一纏の玉盤と為らん。