武川町の方言 補遺編 (あ)

武川町の方言 補遺編
〔あ〕
○あ-ら・あら
<荒れている湿地。この地に生えた革もいう。>
○あいく
<歩く>
○あいさ・間
<え-さ・え-だ>
○あおど (ぞ) んびょ-
<血の気のない人。顔色の悪い人。>
○あかげんつ-
<髪の毛の赤い人。>
○あかし
<あかり。(ランプ・ろうそく・灯火等)>
○あかし・あかしっと
<葬式を知らせること、また知らせる人。昔は、葬式の出た家の親類縁者へ二人が組んで知らせに歩いて行った。「おとむれ-あかし」とも。>
○あかす<知らせる。教える。>
○あがる
<①蚕が上簇(じょうぞく)する。①野ら仕事をやめて帰る。>
○あがりっと
<家の上がり口。上がり柩(かまち)。(あがりっばな)>
○あく・あくや
<石灰。「あくや」ほ石灰石を焼いて、石灰を作ったかまど。>
○あくたま
<乱暴者。主に子供に言う。>
○あぐち
<あぐら>
○あくて-(もくて-)
<わるくち。にくまれぐち。(悪態)>
  あくび
<あけび。(木通・通草)。>
○あこ・あっこ
<あそこ。>
○あ(っ)こい。
<かかと。「あ(っ)くい」とも言う。>
○あさず(づ)くり
<早朝、食事前の仕事。>
○あしっつるし
<足長蜂。>
○あしのひら
<足の裏。>
○あしんぼ-
<足。「あしんぼ-どかせ」>
○あすあす
<期日のさし迫っていること。「あすあすにも生まれる>
○あずきぼ-と-
<汁粉ノ中へウドンヲ太打チニシタルヲ入レタルヲイフ。(「甲斐の落葉」) (こなぼ-と-)>
○あすびしゃ-だ
<遊び半分。「あすぶ」は遊ぶ。>
○あたまっばり
<自分の割当て分。各自の割り当て分>
○あたまっぴき
<空頭蚕。蚕の頭が透いて死ぬ病気。>
○あたり
<作物がよくとれること。豊作。人間生活で使うこともある。(嫁があたる)>
○あったらこと (こん)
<惜しいいこと。>
○あつぼし
<籾(もみ)や麦を厚く干すこと。>
○あなっぽりだいく
<一人前になれない大工。墨の引けない大工。>
○あなんぼこ (-・す)
<穴。>
○あに-
<兄。話題にするとき言う。(あにさん)>
○あね-
<姉。嫁。>
あねやん
<若い嫁の呼び名。>
○あのくに(あのくれ~)
<あんなに。「あのくに作ってど-するずら」>
○あばける
<あばれる。>
○あぶら(油)ど-な
<ランプの油がもったいないこと。>
○あほ-もね-
<とんでもない。普通では考えられない。>「人のものに手を出-てあほ-もね-」
○あを
<田の表土。>
○あま(っ) せ-
<雨の晴れ間。>
○あまんど-
<豆柿とも言われる小さな柿。渋を取った。>
○あめをくれる
<ちょっとうまいことを言って人をだます。>
あら
<荒地。開墾した畑。「あらこをおこす」>
あらく・あらこ
<籾摺(もみす)りのあと玄米の中に残っている籾。>
あらくれかき
<田を鋤いたあとの土の塊をかきまんがで砕くことと。また、鋤いたあと水を入れてする最初の代掻き。「あらくれをかく」>
○あらける
<炭火などをかきひろげる。人の隠し事を明らかにする>
○あらごえ
<まだ十分に熟さない堆肥や厩肥。>
○あらし
<山から伐り出した材木を落とすこと、又その道。「きあらし」とも言う。>
○あらす
<堕胎する。>
○あらすか
<あってよいものか。「ほんなこんがあらすか」>
○あられ
<洗い米にナスやササゲなどの野菜をさいの目に刻んだものを混ぜたもの。墓参りに持ってゆく>
○ありえ-
<ありあわせ。(有り合い)>
○ありんど-
<蟻。あり>
○あんだけ
<あれだけ。「あんだけばか作ってど-するずら」>
○あんちゃん・あんやん
<兄>
○あんつれ-
<あのくらい。「あんつれ-のこんがでんだか(できないのか)」>
  あんどん
<外側が囲んであって中が空いている状態を言う。壁などについて言うことが多い。また、稲が冷害などで実が入らない時に言う。>
○あんに(-)さん
<兄・お兄さん>
○あんね(-)(さん)
<姉・お姉さん>
○あんねさん
<よその嫁さん。よそのおはさん>
○あんねんに
<あんなに。あのように。>
○あんベー
<物事や体の具合、調子。(塩梅)>
○あんまし
<あんまり。(「やっばし」も同じ音変化)
○あんもんをかく
<あれこれと考えくふうすること。悪だくみをするとか、策謀をめぐらすなど、よくないことに使われる。(案文を書く)>